2014年8月11日月曜日

『失われた20年』と言われても…

永井一正氏の『広告デザイン史を語る』を、偶然見つけました。
    http://adv.asahi.com/modules/feature/index.php/content0595.html
戦後日本の広告史を、大変分かり易くまとめられています。

私が業界に身を置くようになったのが、70年代前半のこと。ナショナル宣伝研究所でした。
永井氏の記事によると、70年代から80年代は、人々の関心が「物資の充実」から「ライフスタイルの充実」へと移行して行った時代で、広告表現が成熟期を迎えたのが80年代ということです。
『バブル景気は80年代後半に最高潮を迎え、60年代から進化を続けてきた広告も成熟期を迎えました。』(本文より引用)
単に生まれ合わせがそうだったというだけのことですが、広告の発展期後半から成熟期にかけて、広告の現場に身を置けたということに、今さらながら感謝したい気持ちです。

しかし今、広告は元気がありません。それは、世の中が元気ではないということでしょう。
90年代初頭のバブル崩壊以降の『失われた10年』、そしてリーマンショック後のさらなる『失われた10年』。
通算20年に亘って世の中が元気ではなかった訳ですから、経済活動と共に歩む広告が、元気になる訳はありませんね。

更に90年代後半辺りからインターネットが台頭し始め、デジタル化とともに雑誌や新聞、テレビ等の既存媒体の環境も大きく変化して来ました。
先の広告史の話で言えば、雑誌・新聞・ポスター広告が中心だったものが、テレビコマーシャルにその主役の座を明け渡したように、今やネット広告が中心になりつつある訳です。
フォーリンクスも、正にウェブへと方向転換して来ました)

広告クリエイターの端くれとして言わせて頂ければ、媒体の遷移は時代の要請ですから仕方ないのですが、広告(クリエイティブ)そのものが輝きを失うということが寂しいのです。
大企業ではなくても、元気な企業はまだまだあります。たかがウェブサイトでも、一生懸命良いものを作ろうとしているクライアントも少なくありません。
1日も早く、争いや戦争のない、平和で元気な世の中になって欲しいものだと思います。
若いクエイター諸君は、その時に備えて、日々怠らず腕を磨いて行ってください。
私もまだまだ、頑張ります! (^^)
※トップの画像は、上記サイトより。

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